5000年の長きにわたって栄えてきたアンデス文明。じつは、唐辛子やトマト、ジャガイモ、トウモロコシがアンデス文明発祥の作物だったって知っていましたか?これらの作物は、アンデスの人々が長い時間をかけて品質改良をおこない、おいしく食べられるように育ててきたものなんだそうです。
アンデス文明の歴史の中でもっとも知名度が高く栄えていたのは「インカ帝国」ですが、インカ帝国ができるまでに数々の文明が栄え、そして消えていきました。上野の国立科学博物館で開催中の「古代アンデス文明展」では、アンデス文明の初期文化からインカ帝国までのさまざまな文化・文明を年代別に紹介しています。
国立科学博物館(東京/上野)で開催の「古代アンデス文明展」と、ランチで老舗洋食店「精養軒」のハヤシライスを食べてきましたので、ご紹介したいと思います。
<もくじ>
- 1 「古代アンデス文明展」チケットは上野駅構内の売り場で購入
- 2 「古代アンデス文明展」混雑状況
- 3 序章「アンデスへの人類到達」
- 4 第1章 アンデスの神殿と宗教の始まり(カラル文化)
- 5 第2章 複雑な社会の始まり(チャビン文化)
- 6 第3章 さまざまな地方文化の始まり(ナスカ文化/モチェ文化)
- 7 第4章 地域を超えた政治システムの始まり(ティワナク文化/ワリ文化/シカン文化)
- 8 第5章 最後の帝国 ─ チムー王国とインカ帝国(チムー文化/インカ帝国)
- 9 第6章 身体から見たアンデス文明
- 10 ミュージアムショップ
- 11 まとめ:古代アンデス文明展
- 12 上野といえば「精養軒」のハヤシライス!
- 13 追記:精養軒のプディングを食べました。
「古代アンデス文明展」チケットは上野駅構内の売り場で購入
今回、チケットは上野駅構内にあるチケット売り場で買うことにしました。
天気も良く暖かい日でしたので、混雑するだろうなと思いつつ、8:30(開館時間は9:00から)に上野駅に到着するように家を出ました。
早速チケット売り場へ向かうと…、見たことのない混雑ぶり!
窓口が1つしか開いていなかったのも原因だと思うのですが、前後の人の様子をうかがっていると、どうやら上野の森美術館で開催中の「怖い絵展」のチケット目当ての方が多いようです。窓口でも「怖い絵展は、満員が予想されますのでご了承ください。」と説明をしていました。
10分ほど待って、目当ての「古代アンデス文明展」チケットを購入しました。
ここのチケット売り場でこんなに並んだのは初めてです。
「怖い絵展」くらいしか混んでる理由が思いつかない…。
まさか「古代アンデス文明展」も混んでるとか?!
ともあれ、国立科学博物館へ向かうことにしました。
「古代アンデス文明展」混雑状況
陽気のよい土曜日の開館時間(9:00)に、「古代アンデス文明展」会場へ到着したのですが、予想通りというかなんというか、ものすごく空いていました。
子供向けの展示会ではないので、そんなに混まないかな、と思ってはいたのですが、当日券売り場にも誰もおらず、とくに並ぶことはありませんでした。
以前行った「深海2017」は、同じく土曜日の開館時間に行ったにもかかわらず、親子連れの長い行列ができており、館内も激混み状態で何を見たのかよく分からないくらいの混雑ぶりでした。
それと比べると「古代アンデス文明展」はあっさりしたものです。
(連休中でもないし、午後は混むのかもしれませんが。)
混雑状況を予想する時は、子供向けかどうかというのもポイントのひとつだなぁと思いました。
館内も混雑はなく、落ち着いてじっくりと展示品を見ることができ、快適でした。
写真撮影OK、音声ガイドはドコモが協力
会場に入ると、なんと、一部をのぞき(フラッシュ撮影しなければ)写真撮影OKとのこと。これは紹介記事を書く側の身としてはとても嬉しいですね。
撮影禁止部分は各章ごとに設置されているモニター映像や、第6章の展示会場などでした。
その分、監視しているスタッフの人数はかなり多い印象でした。
ちなみに、私は1度注意されましたw
といっても、モニター横にある↓こちらのパネル写真を撮っていたら、モニターを撮影していると勘違いされての注意だったのですが…。
カメラで写真を撮るために荷物を後ろに置いていた中国人の方も速攻で注意されていました。
まぁ、そんな感じですので、撮影OKとはいえ撮るときは、マナーに注意した方がよさそうです。
入口でいつものように音声ガイド(500円)を借りたのですが、今回はいつもの音声だけのものではなく、ドコモのスマートフォンかタブレットでした。スマホで展示品の映像を見ながら説明を聞くことができ、各章ごとにクイズもついていました。(クイズに正解しても、とくになにももらえませんがw)
高画質の写真で確認できますので、見逃し・聞き逃しもなく展示品付近が混雑しているときは、一旦スマホで見て説明を聞いた後に実物を見ることもできるので、とても良かったです。
これから行かれる方は、ぜひ音声ガイドも借りてみてください。
序章「アンデスへの人類到達」
会場に入ると最初に大きなモニターが2つあり、アンデス文明の歴史と文化別の年表、栄えていた地域など、全体像を確認することができます。
モニター後ろには、第1章から3章までの展示会場があります。
まずは、ざっと5000年のアンデス文明の歴史を確認してから、各会場へ行きましょう。
第1章 アンデスの神殿と宗教の始まり(カラル文化)
まず最初は、アンデス文明の先土器時代後期[形成早期の文化]といわれている「カラル文化(BC3000年頃~BC1500年頃)」の会場です。
カラルは、現ペルー北部~中部海岸のスーペ谷の中ほどに位置する、まだ土器すらつくられていない時代に建てられた祭祀センターだそうです。ノルテ・チコの25以上ある都市遺跡のひとつだそうです。
2体の男性の人形
焼かれていない粘土でできていて、何らかの儀式に使われていたようです。なんか可愛いです。写真は片方の1体です。
線刻装飾のある骨製の笛(2本)
ペリカンの骨でできた笛だそうで、ネコ科の動物が彫られています。
カラルの遺跡では、たくさんのイワシの骨など海産物を食べた跡がみつかったそうで、農業というよりは魚や貝などの魚介類を主食としていたのではないかといわれています。
第2章 複雑な社会の始まり(チャビン文化)
次の会場は「チャビン文化(BC1300~BC500年頃)」です。チャビンはペルー北部高地の南端にあるチャビン・デ・ワンタル遺跡(BC900年~BC500年)を中心とした、宗教色の強い文化です。
大規模な神殿で儀式を行っていたようで、遺跡からは数々の供物が発見されています。また、地下回廊と排水溝があることも特徴のひとつです。
斬られた自分の首を両手で持つ男をかたどった土器
アンデス文明は神と生贄儀式の歴史が有名ですが、展示品にも、今まさに自分の首を切って生贄として捧げた人の像がありました。音声ガイドでも紹介されている展示品です。
こういった像があるということは、日常的に生贄儀式が行われていたということですね。
神に変身する人を表現した「テノンヘッド」
石の頭像で神殿儀式の際に幻覚剤を摂取し、人がネコ科動物に変化していく姿を現したものといわれているそうです。この時代に幻覚剤なんてあったんですね。
サル人間の図像が彫られた石板
巻貝のトランペットを持った、身体は人間、顔と尾がサルの絵です。
ストロンブス貝で作られたトランペット(プトゥトゥ)
前述の石板のサル人間が持っていたトランペットでしょうか?わりと細かい装飾もされています。
刺青またはフェイスペイントをした小像
お腹に穴があいているのですが、これは焼くときに破裂しないように開けてあるらしいのですが、なんと、オカリナとしても使えるそうです。あまり吹く気にはなれませんがw
金製双子・ジャガー鼻飾り(レプリカ)と十四人面金冠(レプリカ)
でました、金製の装飾品!埋葬の儀式に使われていたようで、お墓の中から出土したそうです。
こちらも細かい装飾が施されています。
アンデス文明の展示品は人や動物を模したものが多く、可愛らしい印象のものが多いのですが、生贄の歴史を知るとちょっと怖いですね。
第3章 さまざまな地方文化の始まり(ナスカ文化/モチェ文化)
モチェ文化(BC200年頃~AD750年/AD800年頃)
チャビンが力を失って数百年後、ペルー北部の海岸に土器や金属製品の装飾に長けた集団モチェが現れました。
モチェはアンデスの一大農業地帯に成長、黄金の装飾品など豊かな文化だったそうです。
ガイナソの双胴壺
戦闘用のこん棒を持った男性をかたどった容器です。水を入れて傾けると笛のような音がなるものが多いそうです。
金地に象嵌(ぞうがん)された人面形の装飾品
頭の後ろ部分に2つの穴が開いていることから、ここに紐を通して胸飾りにしていたのでは、といわれている金の装飾品です。「いー」ってしてますね。どんな瞬間の表情なんでしょうw?
2柱の主神が描かれた鐙(あぶみ)型注口土器
展示品タイトルにもでてくる「鐙(あぶみ)」というのは、馬具の一種なんだそうです。神様の絵が描かれています。
トウモロコシの穂軸の姿をした神を描いた土器
トウモロコシはアンデス全体で神聖な植物だったそうで、こちらは牙のある神様がトウモロコシの穂軸の形をした姿をかたどった土器だそうです。なんか可愛いので、好きです。
髪の毛とスポンディルスの貝殻製ネックレス
スポンディルスは貴重品だったそうで、なんと黄金よりも価値があったそうです。儀式で使われていた首飾りのようです。
ナスカ文化(BC200年頃~AD650年頃)
ペルー南部海岸では、チャビンの影響を受けた、地上絵で有名なナスカ文明が現れました。モチェとナスカは同じころに現れた文化ですが、美術や儀式などはまったく違っていたそうです。
ナスカは気候変動の影響で混乱状態におちいり、人々が高地に移住してしまったために途絶えてしまったそうです。
持ち手紐の付いた織物バッグ(コカ袋?)と房の付いた織物バッグ
アンデスの織物は細かくて色鮮やかでとっても素敵ですよね。紀元前に作られたものとはとても思えません。
そして、ナスカ文化といえば地上絵です。
ナスカの地上絵はとても有名ですが、一昔前は宇宙人が描いた説などミステリーのネタとしてもよく語られていました。しかし、最近ではナスカの地上絵はナスカ文化の人々が大干ばつの時期に、儀式のために描いたのでは?という説が有力視されているそうです。あれほどのサイズの絵をどうやって描いたかなども、解明されたそうです。
ナスカの人々が、神様に「雨を降らせてください」とメッセージを送ったのでしょうか?
どちらにせよ、高度な技術を持っていたことは確かなようですね。
第4章 地域を超えた政治システムの始まり(ティワナク文化/ワリ文化/シカン文化)
ティワナク文化(AD500年頃~AD1100年頃)
ティワナクは、標高3800mの高原で栄えた文化です。石造建築物が有名で、その技術は、後のインカ帝国へ受け継がれたそうです。
「カモの主」と呼ばれる土器
聖なる湖ティティカカへの供物だったそうで、ティティカカ湖に浮かぶパリティという島で、リャマの骨と一緒に納められていたそうです。この土器の他にも似たようなものが多数納められていました。
黒色玄武岩製のチャチャプマ(神話的な人間型ネコ科動物)彫像(レプリカ)
ネコ科動物と人間が合体した神話的な存在を「チャチャプマ」というそうです。こちらはチャチャプマの戦士のようです。
ワリ文化(AD650年頃~AD1000年頃)
人間の顔が描かれた多彩色鉢
種族の違う人の顔がたくさん描かれています。政治的に重要な立場の人だったのではと考えられているそうです。
ワリが征服した敵を絞殺した姿ではないかとも考えれられているようです。
多彩色の水筒型壺
ワリの地方高官の墓から出土した壺で、ワリ帝国が支配力を持っていたことを表しているそうです。
また、ワリ文化では「文字」がなかったため、キープというたくさんの紐につけた結び目の数や色などで情報交換をしていたそうです。この伝達方法はかなり難しくマスターするまでに3ヵ月はかかったそうです。キープを使えた人は高官だったようですね。文字より断然難しそうです。
キープは、後のインカ帝国でも広く使われていた情報伝達方法です。
シカン文化(AD800年頃~AD1375年頃)
金の胸飾り
打ち出し細工で形づくった細長いお椀型パーツを65個針金でつないだ胸飾りです。高純度の金の薄板で作られています。
鉢形の金の器(左)
打ち出し細工でつくられた、シカン王の胸像が表現されている平底の外反鉢
ちなみにこの時代の焼き窯は、穴を掘ってその上に木をたくさんのせて焼くという独特の方法で、空気がたっぷり入るため、色鮮やかな焼き物が出来上がるそうです。
第5章 最後の帝国 ─ チムー王国とインカ帝国(チムー文化/インカ帝国)
チムー文化
チムー文化は、モチェ文化とシカン文化を受け継いだ北海岸の王国です。海岸地帯では例のない大王国だったそうです。
後にインカ帝国と戦争し、負けて滅びてしまった王国です。
人間をかたどった祭祀用の杯(容器)
貝殻や鉱物で装飾をほどこした人物像形の容器です。儀礼用に使われていただそうです。
木製の埋葬行列のミニチュア模型
埋葬行列の模型ですが、周りにいる12人は地位や役割がバラバラなんだそうです。
2人の男性が担いでいるのは死者を織物でくるんだ「葬送包み」というものです。
インカ帝国
黄金帝国ともいわれ、アンデス文明の集大成ともいえる巨大帝国に成長したインカ帝国ですが、展示会場では数点しか黄金の展示物をみることができません。
なぜかというと、インカ帝国に侵攻してきたスペイン人がほとんどの黄金を持ち去り、溶かしてしまったからだそうです。スペインの侵攻でインカ帝国の王が殺され、その後あっけなくアンデス文明は5000年の歴史に幕を閉じることになります。その際、文化価値の高い数々の黄金でできた装飾品や像なども失われてしまったんですね。
インカ帝国を発見し、征服したスペイン軍人のフランシスコ・ピサロはインカの莫大な黄金を手にし、冒険を続けたそうですが、最期は仲間の裏切りに遭い殺されてしまったそうです。
ちなみに、ピサロはスペインでは偉人のようですが、アンデスの人々からすると5000年も続いた文明を滅亡させ黄金を略奪した征服者なので、あまりいい感情はもたれていないようです。
1935年、リマ建都400周年記念でピサロの故郷からリマへ寄贈されたピサロ騎馬像は、国民感情にそぐわないということで撤去されてしまったそうです。
金合金製の小型人物像(男性と女性)
生贄の儀式で一緒に埋められた小像です。
第6章 身体から見たアンデス文明
第6章の展示会場は、撮影禁止となっています。
今回のメイン展示会場だからでしょうか。
「身体から見たアンデス文明」と称し、内容は「骨」と「ミイラ」についてです。
アンデス文明の人々は「ミイラ信仰」が根強いのですが、乾いた土地だったので、(言い方はよくないのかもしれませんが)ミイラになるのに適した気候だったのもひとつの要因だそうです。
王様が亡くなった後もミイラのお世話係というのがいたようで、毎日ミイラに食事をさせたり世話をしていたそうです。さらには、先祖のミイラに会いにいくこともあったそうです。
「人は死んだあとミイラになり生き続ける」という信仰があってこその行動ですね。
なので、人が亡くなったあとは、生活に必要な副葬品をたくさん用意し、本体は埋葬せず丁寧に布にくるんでミイラ化し、一緒に生活していたそうです。
…うーん、なにかフクザツな気持になりますね。
また、頭蓋骨の強制なども行っていたようです。
最後のエリアでは、ウユニ湖などアンデスの美しい自然と共に展示会を締めくくる8分ほどの映像を見て終了です。
ミュージアムショップ
展示会場を出ると、ちょっとしたおまけ展示と、私は行かなかったのですが、500円でウユニ湖をVR(バーチャルリアリティ)体験できるコーナーがあります。
自分がアンデスのお土産として有名なエケコ人形になって、ウユニ湖を体験できるそうですので興味のある方はぜひ。
お約束のグッズショップもあります。
アンデスの色鮮やかなお土産がたくさん置いてありますので、見るだけでも楽しいですよ。
私は、アンデスの幸せの人形「エケコ人形」が好きなので、キーホルダーと「古代アンデス文明展」公式ブックを購入しました。大きいアンデス本もあったのですが、高いし重いしだったので、こちらで十分です。
まとめ:古代アンデス文明展
いままでアンデス文明=インカ帝国としか思っておらず、かろうじてナスカ文化(の地上絵)くらいしか知らなかったので、5000年前からあったカラル文化やチャビン文化、モチャ文化など数々の文化と歴史を見ることができて、とても楽しかったし勉強になりました。
キーワードは「生贄」「儀式」「ミイラ」「黄金」「高度な技術をもつ文明」といった感じでしょうか。
アンデス文明の人々は、生贄の儀式やミイラ信仰といった独特の文化を持ち、作物の品質改良や道の整備、焼き物や装飾などの高度な技術、言葉こそありませんでしたが独自の情報伝達方法を持ち、他の文化と貿易まで行っていたというのですから、ホントすごいですね。
生贄儀式などダークな部分もある反面、色鮮やかな糸で編まれた袋や帽子、細かいところまで作りこまれた装飾品、黄金の食器、どこかひょうきんな人物や動物の像など、見ていて飽きない楽しい特別展でした。
ちなみに、音声ガイドを聞きながら写真を撮り、わりとゆっくり展示品を見て回った結果、3時間が経っていました。
開催概要
「古代アンデス文明展」の開催概要をまとめましたので「これから見に行くぞ!」とお考えの方は、休館日、開館時間などを事前にチェックしてから行くことをおすすめします♪
展示名 | 特別展「古代アンデス文明展」 |
会場 | 国立科学博物館(上野) |
開催期間 | 2017年10月21日(土)~2018年2月18日(日) |
開館時間 | 9:00~17:00(※金曜・土曜は20:00まで) ※入場は閉館時刻の30分前まで ※諸事情により開館日・時間等が変更になる可能性があります。 |
休館日 | 毎週月曜日(1/8(月)、2/12(月)は開館)、12/28(木)~1/1(月)、1/9(火) |
主催 | 国立科学博物館、TBS、朝日新聞社 |
協力 | ペルー文化省、ボリビア文化観光省、NTTドコモ、クントゥル・ワシ調査団、国立民族学博物館、東京大学総合研究博物館 |
公式サイト | http://andes2017-2019.main.jp/andes_web/ |
電話番号 | 03-5777-8600(ハローダイヤル) |
上野といえば「精養軒」のハヤシライス!
「古代アンデス文明展」を楽しんだあとは、ランチで上野の老舗洋食店「精養軒」へ。
以前、同じく上野にある老舗洋食店「黒船亭」に行ったのですが、「黒船亭」おすすめのメニューはハヤシライスでした。でもって、精養軒のおすすめメニューを調べたところ、これまたハヤシライスw
まずは看板メニューを食べたいので、2連チャンですが、ハヤシライスを食べてきました!
上野恩賜公園内の桜並木を不忍池に向かって歩いていくと、右手に「上野 精養軒」の看板が現れます。道なりに行くとすぐにパンダ像と一緒に精養軒が見えてきます。
精養軒はわりと大きな建物で宴会場や会議室なども入っています。1Fに「グリルフクシマ」と「カフェラン ランド―レ」の2店舗があり、今回は上野精養軒の伝統の味を味わえるという洋食店「カフェラン ランド―レ」に行ってきました。
精養軒の歴史
精養軒は、1872年(明治5年)から140年以上続く老舗の西洋料理店です。創業時は「西洋館ホテル」という名前で築地が本店だったそうです。翌1873年(明治6年)に「精養軒ホテル」と改称しました。その後、1876年(明治9年)の上野公園開設と共に「上野精養軒」を開業しました。
本店は築地だったのですが、1923年(大正12年)に起きた関東大震災で焼失してしまったため、上野精養軒が本店の役目を果たすようになったそうです。
明治期には国内外の王侯貴族や名士達が馬車で駆けつけるなど、鹿鳴館時代の華やかな文明開化を象徴する存在であった。夏目漱石や森鴎外の文学作品にも登場する。株式会社精養軒によって運営され、本店のある上野公園内の博物館などに系列店を出店している。
出典:上野精養軒 – Wikipedia
人気メニュー
上野精養軒の看板メニューは、伝統のドミグラソースを使った洋食料理で「ハヤシライス」と「ビーフシチュー」が有名です。
なんと「ハヤシライス」を日本で最初に作ったという説もあります。
当時、上野精養軒のコックだった林さんと丸善創業者の早矢仕さんという方との共同創作料理で、名前の由来も2人のヨミガナが「ハヤシ」だったからハヤシライス、になったというユニークなお話です。
並ぶ時間
上野公園をブラブラと散歩しつつ、上野精養軒に到着したのが12:40頃でした。正面のお店が今回のお目当てのお店「カフェラン ランド―レ」です。
入口の看板を見ると「満席です」の紙が貼ってあり、10人以上の列ができていました。
列の一番後ろに並んでいると、5分ほどで前に並んでいた3人がしびれを切らし、お隣りの「グリルフクシマ」へ行きました。
私は「古代アンデス文明展」の冊子を読みながら待っていました。
お店の席数は130席と多めのうえ、お店の回転も良かったようで(お昼の第一陣が食事を終えた頃だった?)、10分ほど並んでいると食事が終わったお客さんが次々と会計を済まして外に出てきました。
店内には10席ほどの待ち席もあったのですが、5分と待たずに次々と待っているお客さんが店内に案内されていったので、席に座ってからはずっと横移動していましたw
最初に並んでから20分ほどで、店内に案内してもらえました。
ハヤシライス
注文は決まっていたのですが、一応メニューを見ながら店内を見回すと、まぁ、満席ですね。
お昼時の忙しさというかなんというか、スタッフさんたちは大忙しであちこちにメニューを聞きに行ったり食器を下げたり、料理を運んだりしていました。
そんな大忙し状態だったので、なかなか注文のタイミングをつかめなかったのですが、丁度お隣りの席に料理が運ばれてきたので、お店の方をつかまえるのに成功、注文することができました。
コーヒーは本当は食後が良かったのですが、店内がこの調子では「食後のコーヒー」なんて忘れられて、気まずい感じになりそうな予感がしたので、一緒に持ってきてもらうことにしました。
あ、大忙し状態ではありますが、店員さんの対応はとても丁寧でしたよ。
ちなみに、ハヤシライスのセット(ミニサラダ付き)は1,450円、コーヒーは500円で、金額は税込です。
5分ほど待っているとランチセットのミニサラダが先に出てきて、そんなに待たずにハヤシライスとアイスコーヒーも運ばれてきました。
大きめのお皿に盛られたご飯の上に福神漬けがのっています。
上野精養軒のドミグラスソースは濃いめの色で、お肉もゴロっと入っています。
ご飯の上にソースをかけてハヤシライス完成。
お肉も一緒に一口食べました。お肉はやわらかく、コクのある濃いめのソースがとっても美味しいです。
お腹がすいていたこともあり、パクパクと食が進み、あっという間に完食です。
量は、多すぎもせず少なすぎもせず、丁度よかったです。
あー、美味しかった!
宮内庁御用達 鴨場プディング
…と、裏返しに置かれた伝票に「宮内庁御用達のプディング」とあるではないですか。
宮内庁御用達 鴨場プディング
鴨場とは宮内庁が管理する伝統的な鴨猟を行う場所で外交官や賓客の接遇の場としても用いられております。上野精養軒はその鴨場で料理・接客を担当しております。このプディングは、鴨場でお出ししているそのままの味を、ご贈答、ご自宅用にテイクアウト商品としてご用意致したものでございます。2個入り 1,000円(税込)
3個入り 1,500円(税込)※精養軒 伝票裏参照
その他にも冷凍食品で、以下のようなメニューを買って帰ることができます。
・国産牛ホホ肉の特製デミグラスソース煮(200g) 1,800円
・手作りビーフカレー 辛口(200g) 1,080円
・手作りハヤシ(200g) 1,080円
本店の厨房で真空冷凍したものだそうですので、精養軒の味を自宅でも、という方におすすめです♪
というわけで、お土産にプリンを購入することにしました。
2個入りと3個入りで、1個500円でしたので、両親にもあげるとして3個入りを買って帰りました。
私が食べ終わって出るときも、お店にはまだ列ができていました。
人気店なんですね~
ハヤシライス、美味しかったです。精養軒さん、ごちそうさまでした!
上野 精養軒/概要
上野精養軒の店舗について紹介します。建物ごと精養軒で、一瞬お店はどこに行ったらいいのか分からなかったのですが、ハヤシライスなど伝統の洋食を食べたい方は精養軒正面の「カフェラン ランド―レ」へ行ってみてください。
精養軒 上野本店 カフェラン ランド―レ
住所 | 〒110-8715 東京都台東区上野公園4-58 |
TEL | 03-3821-2181 FAX:03-3822-1330 |
営業時間 | 喫茶 10:00~20:00 お食事 11:00~20:00 (ラストオーダー19:00) |
定休日 | 無し |
座席数 | 130席 |
ホームページ | http://www.seiyoken.co.jp/ |
追記:精養軒のプディングを食べました。
上野精養軒から、お土産に買って帰ったプリン。
早速、食べてみることにしました。
ピンク色のパッケージに3つのプリンとカラメルソース、プラスチックのスプーンが3本入っています。
薄い黄色をしていて、見た目からもなめらかで濃厚な感じが漂っています。
プリンを取り出してみると、想像していたよりも大きめで、食べごたえがありそうです。
フタを開けてカラメルソースをかけて、いただきます~♪
上野精養軒に食事に行くなら、帰りにお土産プリンは必須のようですw
宮内庁御用達の鴨場プディング、美味しくいただきました!